リヴァイアサンに願いを…

永遠の森「エルフヘイム」に来て早数カ月……。
“沼地の魔女”“エルフの戒律”他にも問題は山積みだ。
そんな中で……いや、そんな中だからこそ、ちょっとした事に“幸せ”を感じるのだろう

「あ…雪だ」

空から(まあ、ここは上層ではないから本物の空ではないが)
ふわり、舞い降りる白くて小さな雪。
ポストに“ことん”と手紙を入れてまた、ふわりと雪が舞い降りてーー

「明日だもんね、リヴァイアサン大祭。」

こうして思い浮かべるだけでも、自然と笑みがこぼれる。
小さい頃の夢物語が実現するのだ。今から楽しみでしょうがない。 

２つ離れた屋根に向かって走る。
きりっと締まった空気が顔にあたり、「さむっ…」と呟きつつ跳んで、それから着地。
屋根から屋根を跳びながら考えてみたり…
 
―まずは冷えた体を温泉でゆっくりあっためよう。　
　　　それから、小川の蜜をパンケーキにつけてお昼ご飯にしよう。　　
　　　瓶に少し取っても大丈夫だよね。　　
　　　そうだ、みんなにプレゼントも買わないと

やりたい事が次々浮かんで、何からやろうか迷ってしまう。
すっと立ち止まって、空を見上げる。

―でも、これは絶対に星霊リヴァイアサンに願おう

「理不尽な終焉が少しでも訪れませんように」

―そして、みんなとずっといられますように